【なぜ】ペロシ下院議長の台湾訪問で中国が激怒した理由は?習近平のメンツ潰れや政権の悪影響が原因?

ペロシ下院議長_台湾に訪問する理由_サムネイル画像

2022年8月2日からアメリカのナンシー・ペロシ下院議長が台湾に訪問していることで、中国側が台湾の空港を爆撃するなどといった物騒な軍事的行動をしようとしていることで話題になっていますね。

台湾と中国は今とてもシビアな問題を抱えており、緊張状態が続いていますが、このタイミングでアメリカのペロシ下院議長が台湾に訪問した理由と、中国が激怒するのはなぜなのか?具体的な情報をまとめてまいりたいと思います。

 

MEMO

【この記事で分かること】

・ペロシ下院議長が台湾に訪問する理由
・中国が激怒して軍まで使っている理由

 

アメリカのペロシ下院議長が台湾訪問する目的と理由は?

ペロシ下院議長_台湾訪問画像

ペロシ下院議長は美人政治家としても有名ですが、実は、筋金入りの「対中国強硬派」としても知られている人物です。

30年前の1991年には、中国の天安門広場で、ペロシさん自ら「中国の民主主義のために命を捧げた方々へ」と書かれた横断幕を持って、中国政府によって抑圧されている人たちのために行動していたこともあります。

ペロシ下院議長の台訪理由①中国への牽制

ペロシ下院議長の画像

そんなペロシ下院議長が、今このタイミングで中国の威嚇を振り切り、台湾に訪問した理由については、中国への牽制が一つの狙いだと考えられています。

「台湾の活力ある民主主義を支援するという、アメリカの揺るぎない関与を示すものだ」

と、中国に対する明確な牽制を狙っていることを示唆するコメントを発表していました。

ペロシ下院議長の台訪理由②中国のメンツを潰すため

中国_台湾訪問への批判コメント

ペロシ下院議長が台湾を訪問する2つ目の狙いは「中国のメンツを潰すため」ではないかと考えられています。

中国は、台湾に対して「”台湾統一”」と言う「中国と台湾は一緒の国であり、同じ領土である」と言う思想を持っていることから、台湾がアメリカ側についてしまうと、非常に困ってしまう事情があります。

習近平_国家主席の画像

さらに中国の習近平国家主席は、任期を延長するための「共産党大会」が間近に控えていることもあり、アメリカに対して弱腰になるわけにもいかず、

ましてこのタイミングでアメリカに大きく出てしまうと中国としてのメンツが潰れてしまう事にもなるので、軍事的行動に出てしまったのではないかと言われています。

一方で、アメリカ側は、中間選挙が控えていることもあり、ペロシ下院議長としては、対中強硬派としての威厳を見せつける絶好のチャンスと踏んだのでしょう。

ペロシ下院議長の台訪理由③台湾を守る為

ペロシ下院議長_台湾_訪問画像

そして、ペロシ下院議長が台湾を訪問する3つ目の理由は、「台湾」を守るためです。

インド太平洋地域において、台湾は、アメリカが日本に基地を置く「沖縄」や、アメリカの「ハワイ」などの重要拠点に近く、軍事戦略的にも絶対に死守したい国となっています。

90年代半ばに起きた中台危機でも、人民解放軍による台湾への侵略が起きた時にもアメリカ海軍を使って抑止していました。

台湾にとっても、中国への侵略は耐えがたいものであると言う気持ちがあることから、アメリカや日本との親交や貿易はなんとか維持したいと言う両者とも密接な関係があることも、台湾を訪問する理由なのでしょう。

ナンシー・ペロシ下院議長が台湾訪問することに中国が激怒する理由は?

台湾訪問_中国の反応_ネットニュース画像

そんなペロシ下院議長の絶妙な台湾訪問を機に、中国は刺激されて軍事行動を使った強硬手段に出るなど、非常に繊細な情勢になっています。

中国が激怒した理由①ペロシ議長にメンツを潰されたから

ペロシ下院議長の台湾訪問への中国の反応

習主席は「台湾統一」を「中華民族復興」に向けた一つの目標として政治を進めています。

今回のペロシ下院議長の訪問を安易に認めてしまうと、中国のメンツが丸潰れになるどころか、アメリカに台湾を取られてしまうと言う焦りの気持ちもあると言われています。

中国国防省の報道官は26日の記者会見では、

「米国側が独断で強行すれば、中国軍は決して座視せず、必ず強力な措置を講じる。国家主権と領土を断固として守る」

出典:https://news.yahoo.co.jp/

と明言し、ペロシ下院議長の訪問の中止を呼びかけていましたが、台湾への訪問は実際に行われる結果になりました。

中国が激怒した理由②台湾統一への一歩が遠のいたから

ペロシ下院議長に爆破予告_中国の反応

今回のアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問を機に、中国は、台湾統一への政策を進めるためのカードを一つ失いました。

躍起になっている習近平国家主席を初めとする中国の政府関係者は、軍を使って台湾を包囲して軍事演習を行う強硬手段に出ました。

中国軍は、4~7日まで、実弾を使った「重要軍事演習」を行うと発表し、実際に日本のEEZを含む領海に弾道ミサイルを撃ちました。

中国側は、「軍事演習の期間中は船舶や航空機の通行を禁じる」としていて、有事も辞さない考えを持っている可能性が出てきました。

台湾_中国の軍事演習マップ画像

その演習区域は、台湾を取り囲むように6か所設定していて、日本の与那国島も、南北を軍事演習の区域に挟まれる形になっているので、日本も他人事では済まされない状況になりそうですね。

ペロシ下院議長の台湾訪問に有事の可能性は?

中国_台湾訪問への反応

ペロシ下院議長の台湾訪問をきっかけに、台湾を中国とアメリカが取り合う有事に発展する可能性が浮上してきました。

昨今ですと、ロシアのウクライナ事情もあったりすることもあり、有事になる可能性は否定できない状況にありますよね。

中国外務省が3日朝、王毅外相の最新の声明を発表し、「台湾問題で挑発してトラブルを起こし、中国の発展を遅らせようと企てるのは全くの徒労であり、必ず頭が割られて血が流れる」と強い表現を交え非難しました。

出典:https://news.yahoo.co.jp/

中国外務省の声明では、アメリカの台湾訪問に対してかなり刺激を受けていると思われるコメントをしていました。

そのため、もちろん政治的な解決も進めていくでしょうが、場合によっては、今回の中国の実弾軍事演習を使って、そのまま台湾に中国が攻め込む可能性もあると考えた方がいいかもしれませんね。